「アズさん。じゃあ俺行くね」


「うん。いってらっしゃい」



陸はカバンにレコードと針とヘッドフォンを入れて部屋を出て行った。



さっアタシも着替えよう。



中山さんと映画かぁ~。

やっぱり普段よりは大人っぽい服装の方がいい。


クローゼットの中からそれっぽい服を出してベッドの上に並べる。




少し冷静に考えると今から中山さんと会うっていう事実に緊張してきた。



髪もいつもより丁寧に巻く。



よしっ。




外は雪がすごくて駅まで歩くのも厳しい。



もったいないけどタクシー呼ぼう。。



陸大丈夫かな。。




雪の積もった道には駅へと続く足跡が続いていた。






『もしもし高崎?』



『はい。』



『今どこ??』



『もうすぐ三宮につきますよ』




『じゃあロータリーにいるから。俺の車分かる?』



『大丈夫ですっ!』







中山さんの事は何でも知ってる。



短大を卒業してあの会社に入ったアタシはすぐに彼に夢中になった。



でもそんな思いは絶対届かないって気づいたアタシはすぐに諦めた。



そしてその後に敦と出会った。




っであの振られ方。。



男性恐怖症になる所だったよ。。