「痛っ!」


気づけばまた陸がアタシの足元に座ってた。



「ねぇ。。ケーキ食べたい~」



「ケーキ?」



「クリスマスだし~」



「あ~じゃあ今日帰りに買ってくるね」





「やったぁ~」



そういってまたリビングへと戻って行く陸に今度はアタシも付いて行った。



もうお昼前。


中山さんとの待ち合わせは16時。



何着ていこう。。



二人分の紅茶を入れてカウンターに並べる。



「あっ陸マフィン食べる?」



「食べる食べる」




何を出しても幸せそうに食べる陸は見ているこっちが嬉しくなる。




「陸は何時に出るん?」



「なんか打ち合わせみたいなのがあるみたいだから15時くらいかな」





それを聞いて少し安心した。



なんとなく中山さんと一緒に居るところは見られたくなかった。



天気予報では夜に向けてどんどん雪は激しくなるみたいな事をいっている。



だからホワイトクリスマスはやめてっていったのに。。





カップを持つ陸の指先が目に入る。


白くて綺麗な細い指。



はぁ~。。




「何~?溜息なんてついて。笑」




「何でもないよ」




ただアタシが男を好きになる要素を全て兼ね揃えているなって思っただけ。。。




でもそれはアタシの心の中だけにしまっておいた。