「遥がいつもお世話になってます。」


ニコっと笑う男の人はさすがに遥様という感じでレベルの高い年上の男の人だった。


毎回毎回どこで知り合うんだろう。。




「こちら真山さん。美容師さん」


なるほど。。お洒落な訳だ。。



「初めまして。」



「っでこっちが噂のアズとマキ。笑」



「噂ってなによ。。」



「いい噂だよ。笑。ヨロシクね」




「こちらこそ〜。またお店行きますっ」





そんな在り来たりな会話をしながらうちまで送ってもらう。


アタシの部屋はマンションの8階でなかなか綺麗に夜景が見える。


家賃は正直高い。でも他に使うこともないし、やっていけないことはなかった。






「じゃあまた」



「送って頂いてありがとうございました」



真山さんにお礼をいって二人に手を振る。




飲みすぎたな。。


ガンガンする頭を抑えながらエレベーターのボタンを押す。


停まる時の揺れに一瞬吐きそうになった。



鍵どこだっけ。。


ごちゃごちゃしているカバンの中を手探りで探す。



あったあった。。



玄関のドアを開けると一人で住むには広すぎる部屋が静かにアタシの帰りを待っていた。




「寒っ。。」







暖房のスイッチだけ先に入れて冷蔵庫のペットボトルの水を取りに行き飲み干す。