ようちゃんが心配そうにアタシを見る。
「バレちゃいました??」
「ううん。大丈夫」
なんとなく反応の薄いアタシの顔をようちゃんが覗きこむ。
「アズさん?」
「あ。。うん。アタシ4月から中山さんの所だって」
「え~!!!!いいなぁ~アタシも中山さんと一緒に働きたいです!!」
きっとこの会社の誰もがそう思ってると思う。
なんでアタシ?
また中山さんに会った時に聞いてみよ。。
それにしてもここ暖房効き過ぎじゃない?
犯人はお局。
岸野恭子。38歳。独身。
アタシの天敵。
小さい事まで細かくうるさいこの人がアタシは苦手。
悪い人ではないと思う。
でも。。。苦手。。。
「高崎さん、口動かすより手動かして!」
「・・・はい」
また怒られたし。。
ようちゃんとのアイコンタクトでお互いの気持ちは届いた。
さっ仕事しよ。
その意気込みを邪魔するようにポケットの携帯が震えた。