学校の前には男の子の集団が見える。


「正門前まで行って大丈夫なん?」


「いいよ。なんかかっこいいし。笑」


「何がよ?笑」



嬉しそうに車を下りる陸に友達らしき子達が集まる。



「陸おはよ〜。あのお姉さん誰??」



「彼女。笑」



「まじかよ〜!!やるなぁ〜陸!!」



そんな声を聞きながらアタシは車をバックさせる。



「アズさんありがと〜」


「アズさんバイバイ〜」



陸の声に混じって周りの子の声も聞こえてくる。


なんか若い。。



あっ急がなきゃ。。




時計を見るともう時間的に相当やばい。



アタシが知ってる最短距離の道で会社へと向かう。



でもこういう時に限って信号は赤、赤、赤。。



駐車場についたのは5分前だった。




『もしもし?
あっようちゃん?ゴメン今一階にいるからタイムカードだけ押しといて〜』



『OKですっ!!』



それだけ言ってエレベーターに飛び乗る。



4階の部署に着くとアタシはお局にバレないようにコソコソと自分の席へ座った。



「ようちゃんゴメンね」



「いいですよ。笑


アズさんが遅刻なんて初めてじゃないですか??」




「うん。。ちょっと。。」



同棲してる高校生の男の子を学校まで送ってきたなんて言えない。。