「お昼いってきま〜す」


そういってアタシは会社の外へと出た。


ポケットから携帯を取り出すとメール受信件数2件。



【アズおはよう☆陸くんとはどう??今日の夜荷物持って行くからねっ^^】


遥様。。




【アズさん〜今俺お昼休み^^アズさんに質問!俺今日どうやって部屋に入ったらいい?泣】



あ〜アタシ鍵、渡してない。。



どうしよ。。


部屋の前で待たす訳にもいかないし。。



【あ〜ごめん。なるべく早く帰るから三宮の駅で待ってて】



【了解で〜す!!】



すぐに返ってきた陸のメールを確認してアタシはそのままコンビニへと向かった。



お茶とおにぎり2個。



それだけ買って会社に戻る。


この貧しい食生活はあのマンションに住みだしてから変わらない。


どうせなら弁当でも作ろうかな。。



2人分なら作る気にもなるし。




2人分。。って。。



あ~アタシ完全に陸との生活楽しんでるし。。


エレベーターに向かう途中で部長とすれ違った。




「あっ部長!!ケーキありがとうございました。おいしかったです!」



「それはよかった。笑」



「お前ももう中堅だしそろそろ部署変えもあるだろうから頑張れよ」




「はいっ」



部署変えかぁ〜。


隣の部署には憧れの中山さんがいる。



アタシがこの会社に入ってからずっとお兄さん的存在の人。

中山 慎一

年は3つ上。

この間まで出張に出ていて久しぶりに戻ってきた。


この会社であの人を知らない人はいないというほど優秀で男女ともに人気がある。



そして中山さんに恋をしていた時期がなかったと言えば嘘になる。



でも初めから無謀すぎて誰にもその思いを伝えた事はなかった。