お昼休憩に入るといつものようにようちゃんを誘って食堂へと向かった。




「お~い。高崎!!」


「はいっ??」



振り返ると部長の姿が遠くに見えた。


そして立ち止まっているアタシ達にすぐに追いついた。




「ケーキ買ってきたから食べて。」



「すみません。。なんか催促したみたいで。。」



「したんだろ?」



「またそんな。。」



「小坂も一緒に食べて」



そういって差し出された白い箱を持って食堂に入り一番暖かい場所をキープした。




「っでどうしたん?」



「なんかね。。最近冷たいんですよね。。」



「でも浮気してるって決まったわけじゃないやん?」



「う~ん。。」



なにか心当たりがありそうなようちゃんだったけどそれ以上聞くのは止めた。



聞いて欲しい時はまたようちゃんの方から話すだろうと思ったから。



「さっケーキ食べよぉ~」



「はいっ!!」



ケーキ箱の中にはおいしそうなケーキが5個も入っていた。



おまけにプレートには【26歳おめでとう】と書いてある。



ダイエットを決意したばかりなのにおいしいケーキを目の前にしてアタシの手は止まらなかった。


そして残りは食堂のおばさんに冷蔵庫に閉まってもらった。






お昼からの仕事も暖かいこの部屋では眠さとの戦いでパソコンの入力ミスだけはしないように気をつける。






時計の針はもう17時を指す。



残業さえなければ帰れるけど。。。



アタシはお局の方をチラッと見た。



あっ。。目が合った。。




「高崎さん!!」



「は、はい。。」



「今日誕生日なんでしょ?もう上がっていいよ」



「でも。。」



「今日はもうほとんど終わったから」


「じゃあ。。お疲れ様です。。」


そういって荷物をまとめた。


誕生日だからといって予定はない。。


でもわざわざそれを公表する必要もない。