少しの時間が経った後マキが亮さんを誘い外に出て行った。


アタシと中山さんは二人車内に残され静かな車内は中山さんの寝息だけが聞こえていた。



「・・・タカサキ」



えっ?



寝言?



アタシはゆっくりと中山さんの顔を覗きこむ。




。。。。



中山さんの唇はアタシの唇と重なっていた。



優しくて切ないキスだった。


「ゴメン」


それだけ言うと中山さんも車の外へと出て行った。


そして中山さんと入れ替わるようにマキと亮さん戻ってきた。



「アイツは?」



「。。。」




「なんかあった?」



「ううん」




「アズちゃん。俺はアイツの気持ちを知ってるからすごく複雑なんだけど、アズちゃんが幸せになれるように考えたらいいと思うよ」




「。。。」




アタシを幸せにしてくれる人。


アタシが幸せにしたい人。。



今アタシの心は大きく揺れていた。まだ陸とちゃんと話もしていないのに。。


「寒い~」



何もなかったように中山さんは缶コーヒーを4本買って戻ってきた。


アタシは中山さんと目を合わす事もできないままそれを受け取った。




「温かい」



アタシの言葉に優しく笑ってくれる中山さんに気持ちが動く。



そのまま亮さんにマキのうちまで送ってもらい解散となった。




「飲みすぎたぁ~」


そういってマキはソファに倒れこむ。


アタシはその下に座って携帯を開いた。



【アズさん帰った??なんかゴメンね】


ゴメンって?



何が??



アタシは携帯をカバンに入れてそのままホットカーペットの上に寝転がった。



「マキ~」



「どしたぁ??」


「恋愛ってこんなに疲れるものだった?」



「その分楽しいこともいっぱいない?」



「・・・あるね」





アタシはそのままその場で朝まで眠った。