「マキまだ会社にいるらしいからそっちに迎えにいくから」


「あっそうなんやぁ〜マキは相変わらず頑張ってんなぁ」



「やね。笑」



30分ほどでマキの編集部のあるビルの前についた。


もうその建物の前に立っていたマキは手を振りながらこっちに走ってきた。



「ゴメンね、来てもらって〜」


「ええよ」



アタシの隣に座ったマキは仕事帰りという事もあっていつも以上にカッコイイ。



そしてアタシの方を見て意味深に笑う。



も〜なに。。。



「アズ〜中山さんとはどう??笑」



「何々中山さんとなんかあるの?」




いきなりの総攻撃に今までの緊張も消え去った。


「何もないって〜」



「でも今中山さんの下で働いてるんでしょ?笑」



さすが中山さんの親友の彼女。。


情報が早い。



今まで前を向いていた遥も興味ありげに後ろを振り返る。



「そうやけど。。アタシが好きなのは陸だけやから」



「惚気るな!」



ええええぇぇぇ!!


もうこの人たちには何を言っても無駄やし。。



「マキは亮さんとはどうなん?」



アタシの逆襲。


でもマキはニヤッと笑っただけだった。



「はいっ。着いたよ〜俺クラブとか苦手やし本屋にでもいってるわ。また電話して」






そういって真山さんはアタシ達を降ろしてそのまま走り去った。


クラブの前には10代後半〜20代前半の女の子が群がっている。肌を限界まで出して腰にはタトゥー。甲高い声で笑う声が響く。



その中の一人の声がアタシの耳に止まった。




「陸ほんまやばいな」


陸。。。


その言葉はアタシの頭を回り続けた。



「なんかめっちゃ久しぶりやし〜今日は飲むぞ〜」


マキはその女の子たちを掻き分けて地下へと降りていく。そしてアタシと遥もその後を追った。