「アズさん何時くらいに来る??」


「う〜ん22時くらいかな。。」


「じゃあ俺一人で大阪〜?」


そんな甘えた声を出してもさすがに陸と一緒に並んでいくなんて無理。


本当はアタシだってもっと人前でイチャイチャしたり陸をみんなに紹介したりしたい。でもそうさせないのはやっぱり年齢差だった。





別に悪いことをしている訳じゃないんだけど、陸の周りの友達はどう思うのかと考えると一歩踏み出せないでいた。





「あ〜なんかアズさんが来るのって嬉しい」



そういう陸の顔を見ながらもまだアタシは変な緊張をしていた。




二人で朝食をとって陸は今日のセットリスト、アタシはカバンの中からこの間の会議の資料を出した。



今までうちに帰ってまで仕事の事を考えることなんてなかったけど今はついていくのに必死で少しの空き時間でも勉強したかった。




お互いに向き合っているのに違うことを考えている。


なんかこういうの嫌いじゃない。
この年になるといつもベッタリよりはお互いにやりたい事をやる時間も必要だと思うようになっていた。




それにしてもさっぱり分からない。今までとは全然違う仕事の内容にとまどうばかりでこれはもう中山さんに頼るしかない。






「アズさん仕事?」



アタシの心の中を読むように顔を覗きこんでくる陸にドキッとした。




「う〜ん。。なんか難しくって」



「頑張れ〜笑」




「ありがとっ」





夕方、陸は大きなカバンを抱えて部屋を先に出た。



アタシは真山さんが21時くらいに迎えに来てくれることになっている。



何を着ていこう。。



若い子に負けないように。。。そんな考えなんて持つだけ無駄なのは分かっている。



アタシにはアタシに合った服装で行けばいい。そう思いながらもなかなか決まらずベッドの上にはたくさんの服が並んでいた。