ピピピピピ
カチッ
いつものように頭の上の目覚まし時計が止まる。
カーテンを少し開け窓の外を見るとうっすらと雪が積もっているのが分かった。
「おはよぅ」
アタシの隣で背伸びをしている陸はまだ少し眠そうだ。
昨日の夜は結局二人して遅くまでテレビを見ながらゴロゴロしていてベッドに入ったのは3時くらいだった。
「おはよー陸まだゆっくり寝てたら?今日オールじゃなかった?」
「うん。でも大丈夫。若いから。笑」
「それどういう意味よ〜」
「そういう意味〜」
アタシは陸の腕を掴み上にあげる。
「痛いぃぃ!」
毎日毎日同じような事を繰り返して楽しんでるアタシ達は成長していない。
アタシから逃げるようにリビングに行った陸はターンテーブルの下に置いてある大きな段ボールからたくさんのレコードを出して床に並べていく。
真剣な顔で自分の世界に入った陸をアタシはベッドの上から見ていた。
「うーん」
一人でそんな事をいいながら一枚ずつカバンに入れていく陸はいつもより少し大人っぽく見える。