しばらくすると食堂の入り口付近が急に騒がしくなった。


アタシがその方向に顔を向けると中山さんが数え切れないくらいのラッピングされたプレゼントを持って女の子に囲まれていた。



明日は土曜で会社は休み。みんなちゃんとチョコレート用意してたんだ。。



その横をうらやましそうに通りすぎる部長がなんだかかわいそうに見える。



「ようちゃんっ。あれ買って部長にあげよ。笑」


「。。ですね」



アタシとようちゃんは食堂の一番隅に置いてあるチョコレートケーキを買い部長の座っている席へと向かった。



「部長~」



「おうどうした?」



そういって不思議そうな顔でアタシ達をみる部長にケーキを差し出す。部長はそれが何を意味するのかすぐに分かったみたいでニコッと笑った。




「なんかお前らに気を使わせた?笑」



「いえいえ。笑


誕生日のお返しですっ!!」



そして少し嬉しそうな部長の席を離れまだ騒がれている中山さんの横を通りアタシ達は食堂を出た。




食堂の外には渡そうか悩んでいる女の子の姿も見えた。


やっぱり中山さんはすごいゃ。。


お昼休みが終わると中山さんはたくさんのチョコレートをもって部署に戻ってきた。



「高崎行くぞ」



「あっはい」




まるで何もなかったようにチョコから資料に持ち替え会議室へと歩いていく。




「中山さんすごい人気ですね。」



「えっ?ていうかお前からもらってないけど。笑」




「あっ。。いや。。スミマセン。。」



「冗談だって。笑」





会議室に入ると営業の人たちも集まっていて何も分からないアタシは中山さんの横にちょこんと座った。




始まってからもよく分からない。



中山さんの発言をみんなが書き取りながら次回のコンペの打ち合わせをしていた。




経理の時には聞いた事もなかった言葉が飛び交っていて完全にアタシは場違いだった。