「じゃあお先に失礼しますっ」


「お疲れさん」


いつもより少し遅くに終わったアタシは夕ご飯の材料を買いにいつものスーパーに立ち寄った。


今日は陸のリクエストでハンバーグと決まっていたから買い物も早い。


急いでうちに帰ると陸はソファの上で気持ちよさそうに寝ていた。


思わずキスをしたくなる衝動を抑えながら陸を起こさないようになるべく静かに夕ご飯の用意をする。

少しすると何かに気づいたようにソファから起き上がりこっちを見た。





「あっアズさんお帰り。帰ってきたら起こしてくれたらいいのに〜」



「なんかかわいい顔で寝てたから。笑」



「なんかまたガキ扱いしてない?」


もしかしたら年の差を気にしているのは陸の方かも知れない。


大人ぶってるというか背伸びしているのがよく分かる。



そんな陸も好きだけどアタシはそのまま等身大のままいてくれたらいいと思っていた。



「あっバレンタインのん見に行くから。」


「まじっ!?」


「うん。一番前陣取って見てよかな。笑」



「いいよぉー大歓迎。ていうかまじテンションあがった!!」



そんなに陸が喜んでくれるならもっと早く見に行っててもよかったかななんて思ってしまう。





「さっ食べよ」


「うん」



こうやって陸と向かい合ってご飯を食べることが普通になっていてこのカワイイ男の子がアタシの彼氏なんだと思うと嬉しい反面少し不安にもなる。



そしてその不安が2月14日的中することになった。