「高崎おはよう」

「あっ。。」



さすがに普通に挨拶できるほどｱﾀｼは人間ができていない。


ゆっくりとその声のする方を見上げる。


そこには前と変わらず優しい顔で笑う憧れの上司の中山さんが立っていた。




「昨日はわざわざ資料ありがとな。」



ようちゃんに聞こえるようにわざと大きな声で言ってくれたような気がした。



「いえっ」


ｱﾀｼがそういうと中山さんはうちの部署から出て行った。


昨日何もなかったように普通な態度の中山さんはやっぱり大人だった。




「ｱｽﾞさんいいなぁ。。」



「ん？」



「なんか中山さんに頼りにされてるし昨日部屋も行ってるし〜」




「そんなことないない。笑」




「でも〜！！」



そう言いながらようちゃんはﾃﾞｽｸの上に頭をつけて言葉にならない言葉を叫んでいた。




今日も暖房がフルで動いていて何だか暑い。



それでも岸野さんの膝の上には電気毛布がかかっていた。




まじですか。。。


「おっ、高崎昨日悪かったな」



そういう部長も暑そうにｴｱｺﾝの方を見ていた。




「いえいえ」




「あっ、中山のとこ一人産休で休み入ったみたいだから来月初めにでもいけるか？」



「え〜っと。。。」




「なんだ？」




「いえっ。大丈夫です！！」