そう自信満々にアタシの隣で微笑む陸の顔を見るとさっきまでの大人の空間を忘れることができた。
「ほんまに?」
「ほんまに。笑」
「すごいや~ん」
「ご褒美~」
そんな陸の頭を撫でるアタシの手をとって少ししゃがむと目をつぶって顎を少し上に上げた。
そんな陸のほっぺたに軽くキスをしてアタシはそこから離れた。
「ちょっと~」
追いかけてくる陸をシャットアウトして寝室で服を着替えながら絶対に今の生活を失いたくないと思った。
「アズさんあけてよ」
「着替え中やし。笑」
「もうアズさんの裸みたしいいじゃん」
今日も光が差し込むベッドを見て陸とのことを思い出す。
棚に置かれたコンドームの箱はまだそのままで思わず笑ってしまう。
静かになったドアを開けると陸はお皿にカレーを入れて用意してくれていた。
「おいしそう」
「おいしいよ。。多分。。」
「じゃあ。。。」
『いただきまぁす』
具の形はつぶれていて何が入っているのかも分からないくらいになっていたけど一生懸命作ってくれたのは本当に分かった。
「おいしい?」
「おいしい!!」
大きく息を吐く陸の顔を見ながらアタシは笑った。
中山さんと食べたお洒落なカレーもおいしかったけど陸の愛情がいっぱい入ったカレーは何にも負けない味だった。
「あっ陸ってお昼ご飯どうしてるん?」
「食堂だよ」
「アタシお弁当作ろうか?」
「え~起きれるの~??笑」
確かに。。
いつも陸の方が早いしそう心配されても仕方ない。
でもこれは前から考えていたことでもあったし嘘をついた陸への懺悔でもあった。