駅に着くと陸はロータリーで寒そうに待っていて車に気づき笑顔でこっちに走ってきた。



その笑顔に勝てるものなんてないよ。



「ゴメンね」



「エエよ~」



「エエよ~笑」



「いい加減それしつこくない?笑


しかも陸が関西弁上達してるようには思えへんし。」




そういうアタシの頭をクシャクシャにしながら陸は笑っていた。




「ご飯何~??」



「陸の分はないよ」



「まじ??」




「遅いのが悪いっ!」




「またそんな事いうし。。」







そういじける陸をそのままにしてマンションまで帰った。


もう22時を過ぎているせいか人通りも少ない駐車場でアタシ達はどちらからともなくキスをした。




自分の中の迷いを消したかったからかも知れない。



陸の背中に回した手に力が入る。




「なになに??そんなに寂しかった?笑」




「・・かな」




そういって少しの間アタシ達はそうしていた。







玄関のドアを開けるとタバコの匂いが残っているのが分かった。



「誰か来てた?」



「うん。マキ」



「俺も会いたかったなぁ~」




そういう陸の顔を見ることが出来なくてアタシは出来上がっていた八宝菜を温め直しにいく。



さっきまでここで中山さんと陸の間で揺れていたなんて知ったらどう思うだろう。。





「ちゃんと俺のもある!!笑」



アタシの隣に立って笑う陸は何の疑いも持たない目をしていた。


そしていつものようにお箸とコップを運んでくれる。




アタシ。。何悩んでたんだろう。。




この好きっていう感情がなによりも大切で他には何も入らない。




この時、確かにアタシはそう思っていた。