「アズ?」
「・・・・」
正直アタシの頭の中はいっぱいいっぱいになっていて何を答えればいいのかどうすればいいのか。。。そしてどうしたいのか分からなくなっていた。
さっきまでのアタシは陸の事で頭がいっぱいだったはずなのに、今は違う。
そんな自分が嫌だった。
「陸があかんって言うてるんじゃないで。すごいエエ子やし、アタシも好きやけど。。今アタシらのこの年と将来の事考えたらアタシは。。。」
「・・うん」
マキが言ってる事は間違ってはいない。
多分アタシがマキの立場でも同じことを言ったと思う。
でも今陸と別れて中山さんの所に行くなんてできない。
「よく考えなね」
「・・うん」
「あっ中山さんの所には亮くんが行ってるから。今頃亮くんの手作りお粥でも食べてるんじゃない?笑」
「そっか。。
マキは亮さんのどこが好きで付き合う事にしたん?」
「そうやなぁ。。一緒にいて落ち着くところ。。。かな。笑」
一緒に居て落ち着く。。かぁ。。
なんとなく分かる気がした。
アタシが納得しているところに携帯が鳴る。
「陸?」
「うん」
「じゃあアタシ帰るね。」
そう言ってマキは部屋を出て行った。
『もしもし?』
『アズさん遅くなってゴメンね。もうすぐ駅着くからぁ~』
『分かった。今から行くっ!』
アタシは鏡で自分の顔を見てから車の鍵を取り部屋を出た。
中山さんの気持ちを知って嬉しくないわけがない。
でも今のアタシが大切なのは陸だった。
車のエンジンはなかなか温まらなく車内は冷えきっている。
もう少し重ね着してくればよかったかも。。
そう思いながらもアタシは駅に向かって車を走らせた。
今は早く陸に会いたかった。