ピンポーン



あれ??


入れかけたディスクを机の上に置きインターホンの画面を覗く。





マキ!!!

何かを叫びだしそうなその顔はアタシにドアを開けるのを拒ませる。



それでも居留守なんて通用するはずもなくそっとドアを開けるとマキとバッチリ目が合った。



「陸は?」



そう小声で囁くマキはまだ理性が保たれていると思いアタシは少し安心した。




「おらへんよ」



「入っていい?」



「うん」




そう言って相変わらずお洒落に着こなしたマキが部屋に入る。


電話で話してから亮さんとの事を詳しく聞いていなかったしその事にすごく興味があったアタシはコタツに入ったマキに紅茶を入れその正面に座った。



でもマキの口から出たのはそんな言葉じゃなかった。




「ほんまに陸でいいん?」


はぁ??


その言葉にアタシはコーヒーカップを持ったまま固まった。






「急に何??」



「中山さんの事はもうエエの?」



「あれは昔の事やし、憧れで十分やから」



マキは大きく息を吸ってアタシの顔を見る。





「中山さんはアズが好きなんだって!!」



えっ。。。



「・・・でも」





「亮くん言ってたよ。ずっと前からアイツはアズちゃんを想ってるって」





中山さんがアタシの事をずっと。。。?



それをすぐに信じろという方が無理だ。


あの中山さんだよ。



アタシはいつまでも手に持ったままのカップを置くことも口にする事も出来なかった。