『じゃあお見舞いよろしく。。』



そう言って電話は切られた。


中山さんのうちなんて知らない。。そういう嘘はマキには通用しない。



入社してすぐ中山さんに夢中になったアタシはマキと遥に会う度嬉しそうに彼の話をしていた。



そして会社で住所録を手に入れたのをいい事にその時の勢いで2人を車に乗せて中山さんちを探しに行った。



今思えば完全なストーカーだ。



でも一人でそこに行くわけにはいかない。




アタシはマキに電話を掛けなおす。



10回ほどの呼び出し音が鳴った後携帯は留守電に変わった。




もぉ。。。





中山さんには申し訳ないけどこれ以上陸に嘘はつけない。






アタシはそのままうちへと帰った。



玄関の鍵は閉まっていてまだ陸が帰ってないことが分かる。





頭の片隅では中山さんの事を気にしながらもアタシは部屋着に着替えて夕ご飯の準備を始めた。



そして炊飯器のスイッチを入れたところで携帯が鳴った。





『もしもしアズさ~ん?』



『うん。陸まだ帰れへんの??』




『なんか今日いつもレギュラーで回してるDJが来れなくなったらしくて変わりに行かないと行けなくって。。』




『・・・そうなんやぁ』




『寂しい??』





『・・ちょっとは。笑』




『じゃあ帰ろっかな』




『冗談。笑


エエよ行って来て。帰り駅まで迎えに行くから電話して』






『いいの?ありがとう。ゴメンね。。帰ったら昨日の続きね。笑』




『はいはい。笑』










時間は19時になろうとしていた。



夕ご飯は一緒に食べたくてアタシは陸の帰る時間まで溜まっているDVDを見ることにした。




陸がいないとこの部屋の広さに改めて気づく。