「陸行くよ~ほんまに間にあわへんって~」
「分かってるって」
陸の口にはフランスパンが入ったままアタシの車に乗る。
最近また車通勤になっているような。。。
「っで全部終わったん?」
「何とかね。。てかまじでアズさん手伝ってくれないし~」
そういってすねる陸は本当に昨日アタシを抱いた男なんだろうか。。
このギャップがまたアタシの母性本能を擽るんだ。。
もう完全に身も心もどっぷり陸にはまっていた。
「じゃあね」
「ありがとう」
いつもの場所で陸を降ろし会社へと向かうアタシは今日は何でも頑張れそうな気がした。
陸につけられたキスマークが見えないようにいつもより上までボタンを止める。
「おはようございま~す」
「アズさんなんかいい事ありました??笑」
「ないよ~」
「え~??笑」
アタシ達がエレベーターの前に着くとそこには先に中山さんが立っていた。ようちゃんはアタシに気を使うように一歩後ろに下がる。
・・・だから違うって。。。汗
「おはようございます」
「おはよ」
そう言って咳き込む中山さんは顔色が悪い。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。」
エレベーターの中でも辛そうだった中山さんと別れアタシは自分の席についた。
風邪かな。。
でもアタシにはどうする事もできない。
お昼頃には中山さんの姿は見えなくなっていた。
「中山さん早退したらしいですよ」
「・・・そうなん?辛そうやったしたまにはゆっくりした方がいいよ」
「世話してくれる人とかいるのかなぁ??」
「中山さんの事だからきっといっぱいいるよ。笑」
「・・・ですね」