ご懐妊祝いという事でアタシは4人分の支払いをして店を出た。


「なんかゴメンね」

そういう遙に手を振りアタシ達は車に乗り込む。


「アズさん。俺のお金も使ってよ〜」



「ボーナスもらったばかりやし大丈夫。笑」




前に陸に渡されたお金はまだ使ってはいない。
それでも今月分もその上においてあるのは分かっていた。


いつか2人で旅行とかに行く事ができたらその時に使わせてもらおうと思う。


「さっ帰ろっか?」


「だね」


帰ったらビール飲もう。そう意気込んでアクセルを踏む。


でも陸に聞きたい事があった。


お父さんの事。。

でも当たり前のように部屋を出て行くと言われたらと思うと中々口に出せないでいた。


「アズさん。。」


「ん?」


「何でもない」


陸は何を言おうとしてるんだろう。

アタシの得意な妄想はいい方には向かわない。


冷え切った部屋の暖房器具をすべてオンにする。



「アズさん?」


「ん?」



「4月になっても。。。追い出さないでね」


・・・陸


目の前で不安そうにアタシを見る陸がとても愛おしく思えた。


「当たり前。笑」


そう笑うアタシは一瞬で陸の胸の中に収まった。


陸の腕は苦しいくらいにアタシの体を締め付ける。


「俺、中山とアズさんがどうにかなるんじゃないかってずっと心配だった。」


「。。うん」



「俺頑張ってアズさんに頼られるような男になるよ」



「。。。うん」



陸はアタシの顔をあげてキスをした。


激しい中にも優しさがある陸のキスに体中電気が走る。


っん。


そしてそのままアタシの体はベッドへと運ばれた。