車をマンションの前につけて待っていると急いで陸が出てくる。

助手席に乗った陸は機嫌が悪い。



「陸ちゃ〜ん」


そう言って顔を覗きこんでも窓の方を向いて返事もしない。



「何食べに行く??」



「何でも。。」



昼はカレー食べたし夜はあっさり系がいいな。。

でも陸は違うかも知れないし。。


結局返事をしない陸を放って何でもあるいつもの居酒屋に行くことにした。


もちろん車の運転があるアタシも未成年の陸もアルコールを飲むことはできない。



でもいつもの溜まり場を陸に見せてあげたかった。




「は〜い降りて」



「ここ?」



「嫌?」


「ううん」



アタシ達が勢いよく入り口のドアを開けると月曜日という事もあってお客さんはあまり入っていなかった。


ここの店のメニューを見なくても注文できるアタシは陸にメニューを渡す。


店員の女の子はアタシの姿を見つけると笑顔で座敷に入ってきた。



「生中ですか?笑」



「ううん、今日は車」



「じゃあ彼氏さんは??」



初めて彼氏って言われた事がすごく嬉しくてアタシは少し舞い上がる。


でも未成年って言いにくいなぁ。。。



「俺も今日はウーロン茶で」



陸がアタシの顔を見てニヤっと笑った。


気を利かしたのかな?


アタシはいつも食べている料理を適当に頼んだ。




「ねぇ。。どれだけ通い詰めてるの?」


陸の言葉に女の子の方が笑いアタシの方を見る。



「最近はそんなにですよね?」




「・・ですね。笑」




陸に出会うまでは相当来てたからな。。


テーブルの上には大量のジョッキグラスと吸殻で大盛りになった灰皿。


それを見たら陸だけじゃなく男なら誰でも引くだろう。。