「ねぇようちゃん。。なんか勘違いしてない??」


「何がですかぁ~笑」


何がって。。アタシが聞きたい。


話はこれからって言う時にお局岸野が席につく。


そして午後からの仕事が始まった。


今の仕事は誰に聞かなくても完璧にできる自信がある。だからこそ余計に4月からの部署変えは不安だった。



また1から仕事を覚え直し、違う仲間と一緒に仕事をするという事にいくら中山さんが上司だからといって馴染める自信がなかった。







「じゃあお疲れ様でしたぁ!!」


そう言ってデスクの帳面を片付けるようちゃんの腕を引っ張りアタシは会社を出た。


「アズさん痛い~。。」


「ゴメンゴメン」


「どうしたんですかぁ??笑」


「ようちゃんアタシ彼氏いるからね」


「ほんまですかぁ??中山さんじゃなくって??」


いいかげんしつこいようちゃんに溜息さえでない。



「違うって~」


「お似合いなのに。笑」



お似合い??その言葉に耳を疑う。

アタシと中山さんがお似合いな訳がない。


「でもアズさんがそこまで言うって事は違うんですね。。」


「・・うん」


「分かりましたぁ。笑」


そういってようちゃんは元気に手を振って駅の方へと歩いていった。

アタシは車の鍵を出して駐車場へと向かう。



奥の方には中山さんの赤ボルボがまだ停まっていた。


当たり前か。。


ほぼ毎日定時で帰れるアタシとは違って中山さんの帰りは遅い。


その車を見ながらアタシは車のエンジンをかけた。



朝降っていた雨はもう止んでいる。


陸はもう帰っているのかな。。