お昼休み、アタシは人目を気にするように会社の外に出た。


久しぶりに乗る中山さんの車の中は相変わらずキレイでゴミ一つ落ちてない。


運転する中山さんはアタシの憧れの中山さんに間違いなく、それは陸とは違う感情だったけどドキドキしていた。




「何食べたい??」


「何でもいいですよ。でも昼間から焼き鳥は勘弁して下さいね。笑」




「お前なぁ~!!笑」



中山さんにホッペをひねられたままのアタシはちゃんと話すことができない。


でもなんとなくお兄ちゃんに可愛がられてる妹のようで心地よかった。


「じゃあ~普通な感じでいい?あんまり遠くに行くとゆっくり食べる時間もなくなるし」




「はいっ」



細い路地を入り車が止まったところはお洒落なカフェだった。


会社からそんなに距離があるわけでもないのにアタシはこんな所にこんなお洒落な店があるなんて全然知らなかった。




「お~い入るぞ」



「あ、はい」



中に入るといかにも仕事の出来そうな大人達がランチを食べている。


隣のテーブルには一人でパソコンを開いて何かの資料を作りながらコーヒーを飲んでいる女の人が座っていた。




カッコイイな。。



これが大人の女。。



そうこういう人を目指したいんだ、アタシ。。



「おい高崎?」



「あ。。。はい」



「何回も呼んでるんですけど。。笑」




あっ。。しまった。


一人の世界に入る病気が。。



そんなアタシに中山さんがメニューを差し出してくれる。



「中山さんは?」



「俺はいつも決まってるから。笑」



早く決めなきゃと思うほど迷って決められない。


う~ん。。


どうしよ。。