2人きりのエレベーターはどの階に止まる事もなく一気に4階まで上がった。

「じゃあ。。」


そう言って自分の部署へ向かおうとするアタシの手は中山さんに引っ張られて動けない。


「えっ?」


「今日お昼外行かない?」

女子社員のキツイ視線を浴びながらよりは外の方がいい。

アタシはOKしてその場を急いで離れた。


なるべく中山さんと2人でいる所は見られたくない。


アタシはそんな事で会社で目立ってしまうのは嫌だったし敵も作りたくなかった。



「アズさんおはようございます」



「ようちゃん、おはよ」


「アズさんって中山さんとつき合ってるんですか?」



ほら。。

いきなりこの展開。


「まさか。笑」


「でも噂になってますよぉ。映画館で見たとか言う子がいて」


あああぁぁ。。

それは否定できない。

しかも確かあれはクリスマスイブだった。


アタシはようちゃんの質問を軽く交わして仕事に集中しているフリをした。



やっぱりお昼は断ろう。
お局の視線を気にしながら中山さんにメールを打つ。


10分後の返信メールは【無理】とだけ書いてあった。




アタシはカバンの中に携帯を入れ大きくため息をつく。

そんなアタシの顔を見てようちゃんは意味ありげに笑った。



絶対勘違いしてるし。。

アタシには高校生の彼氏がいて同棲してると言えば信じてもらえるのかな。


それと同時に違う噂が飛び交うのが想像できた。