今日から陸は新学期が始まる。
外は朝から雨で久しぶりに学校まで車で乗せていく事になった。
でも陸の友達の目が気になるアタシは校門からは見えない所で車を停めた。
「ありがと」
そういってキスしてこようとする陸の顔をアタシは両手で持ち遠ざける。
「なんで?」
「なんで?って誰かに見られたらどうするん?」
「別にいいじゃん」
堂々とそう言う陸にため息がでる。
これも年の差か。。
結局諦めて車を降りた陸の後ろからタイミングよく男の子が3人歩いてくる。
そしてその子達と陸は楽しそうに学校の方へと歩いていった。
危ない危ない。
アタシは大きく深呼吸をして会社へと向かった。
今日は前の教訓を生かし余裕を持ってうちを出たおかげで会社へも早めに着いた。
上の階へとあがるエレベーターを待っていると後ろから聞き覚えのある声と同時に肩を叩かれた。
「高崎おはよ」
「おはようございますっ」
朝一で会っても十分爽やかな中山さんは今日も素敵な大人の男だった。