「頭痛い〜」


朝からそう叫び続ける陸に笑いながらも朝食を作っていると携帯が鳴った。


ディスプレイには想像通りの名前。



『はぁい』



『おはよ』



『おはよ』


昨日の事が気になって仕方のないアタシだったけど近くには陸がいてアタシから話をふる事ができない。


すぐにその事に気づいた頭のいいマキは後でメールするからとだけ言って電話を切った。



聞きたくて聞きたくてモヤモヤしてるアタシの横に保冷剤で頭を冷やしながら陸が近寄ってくる。



「まだ痛いん?笑」


「笑うなぁ!」


「そこまで飲むからやーん」


「もー分かってるって」

明日から学校が始まる陸に課題なんて出来てるはずもなくアタシ達は大きなアクビをしながら手分けして問題を解いていった。



それでもそんな簡単に一日で終わる事はなく途中で諦めたアタシ達はコタツから顔だけを出しテレビを見ながら笑い転げていた。


それが終わると明日からまた高校生に戻る陸の制服のシャツにアイロンをかける。


好きな人とずっと一緒にいれる幸せ、それだけでいいやん。
この時にはまたそう思っていた。




そして待ちに待ったマキからメールが届いた。



えっ?



その内容に大きく反応してしまったアタシを陸が不思議そうに見る。



「マキ彼氏出来たって」


そう言うアタシに陸は目を輝かせながら質問を浴びせる。



「どんな人?」



「居酒屋のオーナーさん」


「まじ?」


「うん」



「マキさん、酒飲み放題じゃん」


あーそれで付き合いを決めたのかぁ〜。。ってそんな訳ない。