そんな中おかしな新年会が始まった。
「じゃあ乾杯~」
『乾杯!!』
いきなり飛ばす亮さんのテンションの高さにアタシはマキの方を心配そうに見た。
でもマキの表情はアタシが思っていたよりも全然楽しそうでいつの間にか亮さんとマキは二人で盛り上がっていた。
嘘??
意外な組合わせにアタシは驚きを隠せなかった。
「高崎飲んでる??」
「・・はい」
「なんかあの二人いい感じだな。笑」
耳元でそう囁く中山さんは嬉しそうだった。
アタシもこんな風に男の人と楽しそうに話すマキを見るのは初めてで嬉しかった。
マキの仕事の愚痴をちゃんと聞きながらも笑いも交えて話をしている亮さんは接客業をしているせいもあるのかすごく大人の対応に見えた。
マキのお酒はどんどん進む。
今日は代行確定だな。
「高崎は4月からどんな仕事したい?」
「そうですねぇ~。。アタシ今まで経理ばっかりだったんで。。他の仕事ができるのかなぁ。。。」
「できるよ。俺教えるし。笑」
「あっ。。はい。お願いします」
優しい笑顔で微笑まれるとアタシの心は癒しと安心感で包まれる。
それは陸との間にはないものだった。
あっ!!!
陸!!
今何時??
時計を見るともう22時を過ぎようとしていた。
出来上がったマキを置いてかえる訳にもいかないし。。
でもこんな楽しそうなマキに帰ろうなんて言えない。
「中山さん。。スミマセン。。アタシちょっと約束あるんであとの事任せてもいいですか?」
「えっ??じゃあ送るよ」
「いゃ。中山さんはここにいて下さい。」
そう言ってアタシはマキにメモ書きを渡して店を出た。