「アズさん。中山って人の事好きなの?」



何も言い返すことが出来ないアタシに変わってマキが親切に説明してくれる。



「会社に入ってから片思いしてて。。。憧れの人やってよく聞かされたよね〜遥〜」




「でもあれは昔の話で今は違うんじゃない?」



遥が天使に見えた。




「そうなん??まさかまだ敦??」



なんでやねん!!そう突っ込みたくもなる。



「違うって〜笑」




そう笑い飛ばそうとしたアタシの声だけがやけに大きくて浮いていた。




この場から消えたい。。



陸はまだ何かを聞き出そうとしていたけどそれはなんとか阻止した。



そして鍋の中もほぼ空になった所でコタツの上を片付ける。



一緒に手伝ってくれる陸はいつもと変わりなくてアタシは安心していた。




冷蔵庫から遥のもってきてくれたケーキを出し紅茶を人数分いれる。




まだ飲んでるあの人達には必要ないかも知れないけど。。



なんとなくジッとしていられなかった。




「アズちゃん俺も何か手伝うことない?」



真山さんと陸が洗い物をしてくれているのにあの女、いゃ。。親父二人は動こうともしない。








「真山さんも大変ですね。笑」



「慣れてる。笑



もう惚れたもん負けみたいな感じやなぁ」



なるほど。。



ここまで思われてる遥は幸せ者だなぁ。。



「俺トイレ」



陸がトイレに向かうと真山さんがアタシの隣に立つ。



「陸の事本気なん?」




「えっ。。はぃ。。。」



「そっか。お似合いやと思うよ。笑」



「あ。。そうですかね。。」



改まって言われるとなんだか照れくさい。



そして戻ってきた陸と変わるようにして真山さんは遥の隣に戻った。