「キムチはやめとこ」



「なんで~??」



「辛いのが苦手な人もいるかもよ?」


「あ~。。。そっか」



結構あっさりと納得した陸をつれて野菜コーナーに行く。



「アズさんこれいる??」



「うん、いるいる」



白菜にエノキに豆腐に。。。



大根に春菊に。。豚肉。。



水餃子。。





「えっ??チクワ??」



「入れるよ」




「入れへんし。。。」



「入れる!!」



チクワを片手に言い争うアタシ達もどうかと思いチクワもカゴに戻しビールも大量に買って店を出た。




陸は完全に無理な体勢で全ての荷物を持つ。


アタシも半分持つと言っても聞かない陸は細い腕に血管を浮き上がらせながら平気そうなふりをして車まで運んだ。





こういう時の陸は必要以上に大人ぶる。




なんとなく無理してる感じがアタシの母性本能をくすぐった。




「俺も早く免許取れたらいいのになぁ。。」



そんな事を言いながらアタシの運転する姿をチラチラ見る。



「じゃあ免許取れたら乗せて。笑」



「当たり前!!」




そんななんでもない言葉に嬉しくなりながら車を走らせた。



「ねぇ?」



「なに?」




「この車にあるCDってアズさんの好み?」



またこの子は痛いところをついてくる。


ここでうんと言えば嘘になる。


でも元彼の好みって言ってもいいのかな。。



答えに困ってるアタシを放って陸は後部座席からCDを取り自分の膝にのせて一枚ずつ見ていた。