「なんか…今日、笑咲おかしいよな。わりぃ、俺帰るわ。」


いつもなら孝志のこんな言葉を不安に感じて引き止める私。


でも今日は…


「ごめんね、また明日!」


何もなかったように孝志の背中に手を振る私がいた。


あんなことがあったから。


あんなことがなかったら。


私は今でも孝志のことを好きだって勘違いできていたかもしれない。