〜3月19日〜

思いも伝えることもなく
今はなんと卒業式の真っ最中なのだ。

あいつの名前が呼ばれる。
「佐野彼方」
「はいっっ。」
あたしの大好きな声が体育館に響く。
この声を毎日聞けるのも今日で最後なんだなぁ…

そしたら、涙が一粒流れた。
…あたし、こんなに大好きだったんだ。

そして、私の名前が呼ばれる。
君は今なにを思っていますか?
少しでも私のこと考えてくれてますか?


…そんなことを考えながら
だるーい来賓の話を聞き、
歌を歌い、
体育館から退場した。