――ケイはフられた。


香織には、好きな人がいるそうだ。
ケイは気づいていたらしい。



ケイは落ち込んではいたけど、

“言えてスッキリしたよ!後悔はしてない。これで香織ちゃんのことはスッパリ諦められる!”

1時間後にいつもの笑顔でそう話した。



よかった。
ケイの笑顔を見れなくなるのだけは嫌だったから、ケイが笑っていたのに安心した。

正直言うと、
ケイがフられたことも、少し喜んでる。
ごめんね、ケイ。



泣いたせいであたしの目が真っ赤に腫れているのに気づいているのに何も聞いてこないケイ。

優しいんだよな。
こういうところ。


百合とケイって似てるな、なんてちょっと思って、笑みがこぼれた。