「大翔くーん!!」


大翔の名前を呼びながらお父さんが戻ってきた


……どうしたんだろ?


「重要なものを渡すのを忘れてたよ。奏哉くん、娘たちを頼んだよ」


大きな紙袋を2つ渡すと慌ただしく去って行った


お父さん、たまにヌケたところがあるからな…


「さっ、行こうな」


奏哉さんの車に荷物を乗せ大翔と乗り込んだ


懐かしいな…この街


「此処に樹里は住んでたんだな」


大翔の問い掛けに頷くあたし


「今日、泊まるホテルは此処な」


奏哉さんは1軒のホテルの前で停まった


「今日は疲れただろうからゆっくりすると良いよ」


「明日から予定詰まってるしな」


早く花歩さんや花菜ちゃんに会いたい


だけど、あたしの身体は正直なようで休息を求めている