樹音は樹里の手を握り頷いていた


「あっ、直樹さん」


親父の言ってたこと、許可取らないと…


「どうした?」


「実は、親父がこっちに向かってるらしくて…。樹里に会いたいって。」


「樹里に…?」


案の定、驚いた表情だ


「俺の親父、医者なんです。それで樹里の紹介状が届いたらしいんです」


「そういえば、病院を近くに変えたんだ。近くっていっても車で1時間は掛かるけど…」


此処、結構な田舎だもんな


この病院も俺らが住んでる家からも遠いし


「会わせても大丈夫ですか?」


「構わないよ」


……良かった


「失礼します。体温計りに来ました」


さっきとはまた別の看護師さんが入ってきた


「大翔じゃないの。久しぶりね」


声を掛けてくれたのは姉貴の同級生だった