【更新中】キミの声、聞かせて

周りが何と言おうと

君の傍に居たい

君と居る時間が

とても安心出来るんだ

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しばらく樹里を抱きしめていた


樹里は小さくて壊れそうだ


樹里は嫌がることなく抱きついたままで。


何処か寂しそう


「樹里、落ち着いたか?」


俺が聞くと笑顔で頷いてくれた


「亮介達はそのままにしてちょっと店にでも入るか」


俺は樹里を連れとある店に入った


「樹里、好きなの選びな」


“…えっ?”と驚いた顔をした樹里


「良いから選んで」


俺の言葉に渋々選んでいた


「選んどいて。ちょっと俺、手洗いに行くから」


手洗いたくなってお手洗いに行く


「あっ、大翔だ」


名前を呼ばれて振り返るが…


……誰だっけ、コイツ
「ねぇ、ヒマなら遊ぼ?」


「俺、人待たせてんの。名前も知らないお前の相手なんてしてられるか」


握られてる手を引き離すがコイツも負けじと握り返す


香水臭いから離れたい


「寧々、知ってるんだからね」


コイツの名前、思い出した


……城本寧々(シロモトネネ)


俺らと同じ学年の女


俺、コイツに付きまとわれてるんだった


「大翔が待たせてるのって寺田さん?」


「そうだけと、何?」


俺は素っ気なく返す


「あの子、話せないんだよね?なのに、そんな子の相手をするの?」


城本の話を聞かずに足を進める


「ねぇ、寺田さんなんて放っといて寧々と遊ぼ」


----イラッ


「樹里のこと何も知らないのに悪く言うんじゃねーよ」


そう言葉を発し樹里の元に向かった
「樹里、決まったか?」


《お帰り。大翔から違う香水の香りがする。誰かと一緒だった?》


城本の香水の匂いが残ってたんだな


「ちょっと関わりたくないヤツに捕まってた」


樹里には嘘をつきたくなかったから


だけど、樹里はどこか寂しそうな顔をした


「で、気に入ったのあったか?」


《んー。たくさんあって自分じゃ選べないから大翔が選んで?》


「俺が選んで良いの?」


樹里は笑顔で頷いてくれた


俺は樹里の手を引き店内を回る


樹里に似合いそうなものを見つける


「樹里はブレスレットとネックレスどっちが良い?」


樹里は迷わずブレスレットを指差した


ブレスレットを中心に選んでいこう


「樹里にはこれだな」


俺は迷わず選ぶと支払いに向かった
店を出て琴音達を探す


《大翔、お金…》


「お金は良いよ。俺からのプレゼント」


《でも、悪いよ…》


「気にしなくて良いから。俺がしたくてしてるんだし」


樹里以外のヤツにはやらないな


《大翔が言うならもらうよ?良いの?》


俺は笑顔で頷いた


「いたぁー!!探したぞ」


あっ、亮介達発見。


探す手間、省けた


「大翔、帰るか?」


「あぁ、樹里を送らなきゃな」


本人は“帰りたくない”って顔してるけど…


その証拠に俺の制服の裾、握ってる


不安なのもあるんだろうけど…


「不安な顔、しなくても大丈夫」


俺は樹里の不安を和らげる為に手を握った


恥ずかしいのか顔を真っ赤にする樹里


それが可愛くて仕方ない
「2人の世界に入るな」


亮介の一言で我に返る


「家に帰る前に樹音ちゃんに会いたいの。会って良い?」


琴音が聞くと樹里は頷いていた


4人で樹里の家へと帰る


「あっ、お姉ちゃん。お帰り」


庭先から樹音が出迎えてくれた


「樹音、樹里借りてたぞ」


「うん。パパも冬華お姉ちゃんとお兄ちゃんなら許してあげるって」


本当にこの子は小学1年生なのだろうか。


《大翔、部屋に行く》


そう書いたメモ帳を樹里は見せてくれた


疲れたみたいだな。


顔色もあんまり良くないし。


「大翔くん、お帰り。ありがとうな」


奥の方から直樹さんが顔を出した


「大翔、この人は?」


「樹里のお父さんだよ」


亮介に聞かれしっかりと答える
「大翔くん、お友達かい?」


「あっ、はい。中学の同級生です」


俺の言葉の後に2人はお辞儀をしていた


「樹里の父です。娘達がお世話になってるみたいだね。うちで良かったらゆっくりしてってな」


「「はい!!」」


2人ともめっちゃ緊張してる


「樹里、ゆっくり休めよ。」


直樹さんは樹里が疲れてるの気付いてるみたいだ


「直樹さん、樹音も借りますね。樹音、樹里の部屋まで負んぶしてやるから来い」


樹音は嬉しそうに近づいてきて飛び乗った


樹音は軽いな。


「お兄ちゃん、ありがと。嬉しい」


「いいえ。樹里、せっかくだし写真撮って」


樹里が頷いて部屋に着くまで写真を撮っていた


写真を撮る樹里は楽しそうだった
《後で現像するね。散らかってるけど入って》


樹里はベッドに寝ころんだ


「樹音ちゃん、おいで」


樹音は嬉しそうに亮介の膝に座る


「樹里、カメラ借りるな」


樹音を膝に座らせてる亮介が嬉しそう


こんな嬉しそうな亮介の顔は貴重だ


「樹音ちゃん、あたしと亮介からのプレゼントだよ」


「これは俺からな」


俺も亮介達と一緒にプレゼントを渡す


「開けていい?」


頷いた俺らを見て樹音は袋を開けていた


「絵本だぁ…亮くん、琴ちゃん、ありがとー」


「「どういたしまして」」



「お兄ちゃんからのもかわいい」


喜んでくれて良かった


「お姉ちゃん、これで髪の毛かわいくしてね?」


《分かった。お父さんにも言っておいで》


樹音は嬉しそうに部屋を出て行った
《3人とも、ありがとう》


樹里は微笑んだ


「樹里にもあるよ」


亮介と琴音はラッピングされた袋を差し出す。


「俺からは琴音とお揃いね」


「あたしからはこれね」


樹里は恐る恐る開けていた


亮介はネックレス


琴音はマグカップ


「マグカップ、大翔の部屋で使うと良いよ。大翔の部屋に行くこと増えるだろうし」


《ありがとう。大事に使うね》


樹里は自分にまであるなんて思ってなかったらしく嬉しそう


「お姉ちゃん。パパ連れて来たよ」


樹音が直樹さんを連れて戻ってきた


「3人とも樹音にありがとうな。嬉しそうに俺のところに報告に来たよ」


直樹さんは申し訳なさそうにしながらもお礼を言ってくれた
「いいえ。俺達は樹音に喜んで欲しかっただけなので…」


俺の言葉に頷く2人


それからは他愛のない話をして盛り上がった


「樹里のお父さん、良い人だね」


樹里達がお風呂に入ってる間、俺達は3人で過ごしていた


「樹音ちゃんも可愛いし」


久しぶりの3人。


中学時代を思い出した


「おっ、樹里。上がったか」


お風呂上がりの樹里が戻ってきた


普段とはまた違う雰囲気でドキドキする


「じゃあ、俺達は帰るから。」


「樹里、また遊ぼーね」


嬉しそうに頷く樹里


「あっ、大翔。見送りはいいから。2人で時間潰して帰るし。着いたらメールする。樹里ちゃん、お邪魔しました」


「また、来るね。大翔もたまには戻ってきなよ」


2人は慌ただしく去っていった