【更新中】キミの声、聞かせて

結局、亮介が選んだのは星形のネックレス


「2人とも喜んでくれると良いなぁ」


“そだな”と俺も返す


「にしても、大翔が変わるなんてな。未だに信じらんねー。」


「俺は樹里の支えになりたい。こんな気持ちは樹里が初めて」


「告白すれば良いのに。」


亮介はボソッと呟く


「告白ならした。だけど、返事はもらってない。いつでも良い」


樹里が俺に向いてくれるまで待ってる


「良い報告待ってるからな」


「おう」


「でさ、琴音と話してたんだけど、樹音ちゃんに何かプレゼントしようってなったんだ。何が良いかな?」


樹音の好きな物か…


樹里に聞いた方が早いな


「とりあえず、2人を探そう」


俺達は樹里達を探すことにした
「あっ、樹里」


2人は楽しそうに洋服を見ていた


俺の声を聞いて微笑んでくれた樹里


「樹里、樹音の好きなものってなんだ?」


《絵本を読むの好きだよ》


……本か。


「じゃあ、本屋行こう」


樹里の書いたのを見て亮介が呟き琴音と樹里の支払いが済むとみんなで本屋に向かった


「亮介、2人で見てこい」


2人からのプレゼントなんだ


2人で選んだ方が良いだろう


「樹里、行くか」


俺は樹里の手を引き2人から離れた


すると何だか引っ張られた気がした


「樹里、どうした?」


俺が聞くと樹里は自分から抱きついて来た


……可愛いな。


「樹里、俺…期待していいの?」


こんな可愛い行動されると期待するぞ?
俺の言葉に樹里は何も言わす抱きついたままだった


まぁ、此処は周りから死角になってる場所だ


「樹里、顔上げて」


耐えられなくて俺は樹里にキスをした


顔、真っ赤にして可愛い


《大翔、急になにするの?》


「樹里が可愛かったからキスしただけ」


《恥ずかしいもん》


「俺だって本気になったのは初めてだから恥ずかしい。」


恥ずかしいのは樹里だけじゃない。


初めてだからどうして良いか分からない


樹里と居ると身体が咄嗟に動くんだ


赤い顔を隠すように樹里は抱きつく


そんな樹里を強く強く抱きしめた


「俺は樹里の傍に居る。小さなことでも支えになる」


そう呟き俺の気持ちが伝わるように、俺の傍から離れないように樹里を抱きしめ続けた
周りが何と言おうと

君の傍に居たい

君と居る時間が

とても安心出来るんだ

***************

しばらく樹里を抱きしめていた


樹里は小さくて壊れそうだ


樹里は嫌がることなく抱きついたままで。


何処か寂しそう


「樹里、落ち着いたか?」


俺が聞くと笑顔で頷いてくれた


「亮介達はそのままにしてちょっと店にでも入るか」


俺は樹里を連れとある店に入った


「樹里、好きなの選びな」


“…えっ?”と驚いた顔をした樹里


「良いから選んで」


俺の言葉に渋々選んでいた


「選んどいて。ちょっと俺、手洗いに行くから」


手洗いたくなってお手洗いに行く


「あっ、大翔だ」


名前を呼ばれて振り返るが…


……誰だっけ、コイツ
「ねぇ、ヒマなら遊ぼ?」


「俺、人待たせてんの。名前も知らないお前の相手なんてしてられるか」


握られてる手を引き離すがコイツも負けじと握り返す


香水臭いから離れたい


「寧々、知ってるんだからね」


コイツの名前、思い出した


……城本寧々(シロモトネネ)


俺らと同じ学年の女


俺、コイツに付きまとわれてるんだった


「大翔が待たせてるのって寺田さん?」


「そうだけと、何?」


俺は素っ気なく返す


「あの子、話せないんだよね?なのに、そんな子の相手をするの?」


城本の話を聞かずに足を進める


「ねぇ、寺田さんなんて放っといて寧々と遊ぼ」


----イラッ


「樹里のこと何も知らないのに悪く言うんじゃねーよ」


そう言葉を発し樹里の元に向かった
「樹里、決まったか?」


《お帰り。大翔から違う香水の香りがする。誰かと一緒だった?》


城本の香水の匂いが残ってたんだな


「ちょっと関わりたくないヤツに捕まってた」


樹里には嘘をつきたくなかったから


だけど、樹里はどこか寂しそうな顔をした


「で、気に入ったのあったか?」


《んー。たくさんあって自分じゃ選べないから大翔が選んで?》


「俺が選んで良いの?」


樹里は笑顔で頷いてくれた


俺は樹里の手を引き店内を回る


樹里に似合いそうなものを見つける


「樹里はブレスレットとネックレスどっちが良い?」


樹里は迷わずブレスレットを指差した


ブレスレットを中心に選んでいこう


「樹里にはこれだな」


俺は迷わず選ぶと支払いに向かった
店を出て琴音達を探す


《大翔、お金…》


「お金は良いよ。俺からのプレゼント」


《でも、悪いよ…》


「気にしなくて良いから。俺がしたくてしてるんだし」


樹里以外のヤツにはやらないな


《大翔が言うならもらうよ?良いの?》


俺は笑顔で頷いた


「いたぁー!!探したぞ」


あっ、亮介達発見。


探す手間、省けた


「大翔、帰るか?」


「あぁ、樹里を送らなきゃな」


本人は“帰りたくない”って顔してるけど…


その証拠に俺の制服の裾、握ってる


不安なのもあるんだろうけど…


「不安な顔、しなくても大丈夫」


俺は樹里の不安を和らげる為に手を握った


恥ずかしいのか顔を真っ赤にする樹里


それが可愛くて仕方ない
「2人の世界に入るな」


亮介の一言で我に返る


「家に帰る前に樹音ちゃんに会いたいの。会って良い?」


琴音が聞くと樹里は頷いていた


4人で樹里の家へと帰る


「あっ、お姉ちゃん。お帰り」


庭先から樹音が出迎えてくれた


「樹音、樹里借りてたぞ」


「うん。パパも冬華お姉ちゃんとお兄ちゃんなら許してあげるって」


本当にこの子は小学1年生なのだろうか。


《大翔、部屋に行く》


そう書いたメモ帳を樹里は見せてくれた


疲れたみたいだな。


顔色もあんまり良くないし。


「大翔くん、お帰り。ありがとうな」


奥の方から直樹さんが顔を出した


「大翔、この人は?」


「樹里のお父さんだよ」


亮介に聞かれしっかりと答える
「大翔くん、お友達かい?」


「あっ、はい。中学の同級生です」


俺の言葉の後に2人はお辞儀をしていた


「樹里の父です。娘達がお世話になってるみたいだね。うちで良かったらゆっくりしてってな」


「「はい!!」」


2人ともめっちゃ緊張してる


「樹里、ゆっくり休めよ。」


直樹さんは樹里が疲れてるの気付いてるみたいだ


「直樹さん、樹音も借りますね。樹音、樹里の部屋まで負んぶしてやるから来い」


樹音は嬉しそうに近づいてきて飛び乗った


樹音は軽いな。


「お兄ちゃん、ありがと。嬉しい」


「いいえ。樹里、せっかくだし写真撮って」


樹里が頷いて部屋に着くまで写真を撮っていた


写真を撮る樹里は楽しそうだった