目が離せないでいたら、「あの…」と、彼女が言葉を発した。
容姿には合わない若干ハスキーな声で。

「あ、あぁ、大丈夫だよ。」

俺が立ち上がると共に、彼女の黒目がちな瞳が大きく開かれた。

「そ、それ、まさか…なっつが…?」

視線の先には俺の左足の裾。

「あー…こんくれえ大丈夫。」

俺が怖いのか、女の子は少し肩を震わせながら頭を下げる。

「本当に御免なさい!弁償…」

まぁ無理もない。俺の今の格好は、もういかにも不良。
髪は金にピンクのメッシュ入りでピアス空きまくり。

彼女は黒髪に団子しばり。
ピアスはあいてるが両耳合わせて三つだ。

周りからみたらこれかつあげ…。

「大丈夫だよ。あんた悪くねえし、悪いのなっつだしな。」