「お前、どっからきた…。俺のジーンズ弁償しろや…」

小声で猫に話すが、当たり前に応答はない。

「くっそぉ…お前首輪してるから飼われてんだろ?」

辺りを見回してみるが、飼い主らしき人はいない。
猫は俺の顔をみつめて頬を舐める。

「ザラッザラした舌してんなぁ…。」

暫く猫を抱き抱えてその場にしゃがみこんでると、
人影が見えた。

「にゃあっ!」

猫が激しく反応し、俺の腕の中から離れていった。

「なっつ!」

猫が離れていくと同時に、頭上から声が聞こえた。

見上げると、
俺の体全体が痺れた。

「あの!ありがとうございます!」

目の前には、もう一言では表せないほど可愛い女の子が立っていた。

額に浮かぶ汗が俺にはもう光り輝く星に見えた。