クスッと笑う彼女が
俺の銀色の髪をジィッと見詰める。

「輝の黒髪って想像つかない…。」

「あー、俺受験の時以外、髪は色つきだな。」

髪をぽりっと掻くと、彩の口からとんでもない言葉がおちた。

「黒の方がタイプ…。」

眉毛がピクッと動いた。
その後に、どんな輝でも好きだけどって言葉が付け足された事は知らず、
俺は明日のプランを一気に組み立てた。
勿論、黒染め。


頭が髪の毛で一杯のまま家の前までくると、
あか姉が携帯をいじりながらドアの前で立っていた。

「あ、輝!遅くねえー?時間結構経ってんだけど!」

キャミソールと短パン姿のあか姉の額には、じんわり汗が浮かんでいた。