それをスッと拭い、にっこり笑いかけてみた。

「ばあっか…格好よすぎなんだよ、ばか…うっ、」

うああああっと泣き叫ぶ彩を俺はきつく、宝物を包むように抱き締めた。

「私でいいの?こんな、こんな重いのでいいの?」

「お前がいいの!」

ぐんっと彩を抱き上げ、空を背に、彩に空の光を照らさせる。

薄暗いけどわかる。彩の顔は真っ赤だ。

すぅっと息を吸い、彩を見上げる。

「付き合ってください。」

彼女の瞳が、優しく、にっこりと笑った。

「よろしくお願いします。」



…俺は、今日、この空に誓おう。

彩を、成瀬彩というたった一人の彼女を、大切に大事にする。
当たり前な事だけど、他の女より、誰よりも幸せにしたい。


大好きなこの場所で、大好きな人と結ばれた瞬間だった。