ああ、抵抗する力もないや。
死んだ方がマシだな…。
「しね…」
小さく呟いた女の人を見上げると、不敵ににっこりと微笑んでいた。
「やめてっ!!!」
身体が飛ばされ、おしりに激しい痛みが走る。
それと同時にザシュッと響き渡る破裂音。
何…?
瞑っていた目を開く。
…おかしい、おかしいよ。おかしい。
「おかあさっ………ッ!」
お母さんが彩の前に仰向けに倒れている。
……血だらけで…。
キャハハハと高笑いをする女の人が、狂ったようにお母さんを刺す。
「だめ、だ…め!!やめてえええええっ!!!」
呼吸ができない。
折原さんの名前を何度も何度も呼ぶお母さんの顔を見ながら彩は泣き叫ぶ。
もう、だめ……。わからないよ。わかんない。
彩、何かした?どうして、どうして……。
神様、お願いします。
これが、どうか、どうか……夢でありますように…。
彩の意識はそこで失った。