時計をチラッと見ると、長い針も短い針も6を指していた。
18時…30分。

お父さんがお母さんの腕を引っ張り、折原さんは女の人を睨みつけ、女の人はひたすら泣きわめくだけ。

彩、どうすればいいんだろう。
家族が大好きなのに、大好きなのに……。

「許さない…許さないッッ!!」

グッと体が引き寄せられた。
涙でぐちゃぐちゃの顔の女の人が、彩の腕を引っ張り、キッチンへと連れて行く。

「離してっ!!」

お母さんと折原さんがよろけながら彩達の後をついていくのが見えた。
視界がボヤける。

「あんたの娘、殺してやるわよ!!」

女の人が彩の首に腕をまわし、いつの間にか手に握られていた包丁を、首に突き付けられた。