「もしもーし、彩ぁ?柚だよー。」

俺を見上げてにっこり微笑む折原。
背筋が凍った。

何がなんだかわからない。
折原が彩と何を話してるかなんて、聞こえるはずがねえ。

殺人?浮気?養護施設?

昨日俺が話してた彩と、折原が言ってる彩は本当に同一人物なのか?

そんな一気に言われたら俺受け止められねえ、

けど、けど…。

「彩?お前今どこ?」

バッと折原から携帯を奪い取り、彩に話しかける。

「うん、じゃー…俺らが出会った場所で!」

俺は深く考えると同情をかって戸惑ってしまう癖がある。
でも、彩だけにはそういう素振りを見せたくない。