夏と秋の間の季節、何て言うんだっけ。
よく分からないが、俺はこの季節が一番嫌いだ。
変な汗をかくのは、季節のせいじゃないかも知れないが…。
なんか、手のひらで拭っても拭っても、汗が止まらねえ。
「…」
シン…とした教室。
俺は自分の席。折原は駿の席でしおりの作成を進める。
チラッと上目で折原を見ると、
夕日に照らされた横顔が、俺の胸を少し締め付ける。
ショートボブがよく似合う女の子だなあと思った。
「ねえ。」
ビクッとして、目を離すと、折原が俺の頬をそっと撫でた。
「体育祭、楽しみだねえ。」
ニッコリと微笑む折原の目は、笑えてなかった。
「は、離せよ…。」
頭を横に振り、手を振り払う。
「成瀬、彩。」
ピクッと俺の耳が動いた。
「知ってるでしょ?」