「ふーん…」

あまり興味なく、そっけない返事をする俺に、女子は呆れた顔をして
席から離れて行った。

次の授業が始まる時、

「俺さ…あの転入生、何かまずい気がする」

出た。駿の意味不明発言。
後ろを向き、右腕を俺の机に乗せ、転校生を見詰めるこやつ…。

偶に訳の分からん発言をしては、深く深く考え始める駿。
俺には此奴が何を考えてるのかさっぱり分からない。

「どこの勘だよ、阿保なのお前!」

ははっと笑いながら駿の頭をバシィッと叩く。

栗色ボブショートの彼女。
黒板の端に、小さく名前が書いてある。朝、書いたやつがまだ消えてないのか。

…折原…柚…。

「…知らねえな」

教科書も出さずに、外を眺める俺。
考える事は一つ。

他の女には興味ねえっつの…。
彩に会いてえな…。