― キーンコーン

丁度チャイムが鳴ったと同時に靴箱に着いた俺ら。
沙羅は2‐B。
俺と駿は2‐C。

「今日の一時限目何?」

「歴史だった気がする」

赤茶の髪が汗で少し濡れてる駿。
女子力…と、言うのか。シーブリーズを片手に、ウェットティッシュで顔を拭いている。

俺はというと、ハンカチもティッシュも持っていない。
勿論、シーブリーズも。
さっきの奴らのせいで汗だくだ。

「俺、臭い?」

右サイドの少し長い銀色の前髪を触りながら聞く。

無言で、ん。とシーブリーズを渡す駿を、俺は軽く叩いてやった。

「並木ィ!!」

図太い声が、下駄箱の先の職員室の前から聞こえる。

…この声は…。

「髪の色どうした??ちょっと派手すぎるんじゃないか??」

生活安全委員の……伊東。