「輝ッ!」

沙羅が俺のよろけた体を受け止めた。

「おい駿、沙羅を頼んだ。」

頬に鋭い痛みが走る。
…鉄の味がする。
血ィ、出てんなあ。

「おい、テメェどこ高よ?」

前髪Bの胸ぐらを掴みながら額をくっつけて問う。

「東じゃボケ!!!」

蹴りをかわし、左ストレートをくらわすと、金髪Aが顔を真っ赤にして俺に殴り掛かってきた。
勿論、かわしましたよ。
おまけにもう一丁渠に蹴りをお見舞い。

「テメェら沙羅に謝れや!!!!」

関西人の頭を足で踏みつぶしてると、
鈍い声で「覚えてろや…並木輝…。」と、呟き、俺の足をはらい去って行く男共。

「何で俺の名前知ってんだ…」

足元を見ると、俺のカラオケカードが落ちていた。

「これか…。」

頬を歪ますと、左頬に痛みが感じた。