「んじゃ行って来る。」

靴を履き外に出ると、ドアのすぐ横に駿が立っていた。

「よっ。髪また染めたの?」

「おう!似合うだろ!」

いつもの通学路を歩きながら駿と登校。
これが俺の日課だ。

一方的に喋るのは俺で、駿はただ聞くだけ。

「あ、そういや俺好きな子できた。」

ブッと口に含んであったファンタを吹きだすこの男。
きったねえ…。

「ガチめな方で?」

こくこくと頷く俺を見て、
眉を思い切り下げ、額に手を当てる何やら不思議な行動をしだす駿。

「なんだよ…」

「ありえな…」

俺の声と駿の声が重なった。
数秒、沈黙が続いた。