私は逃げたんです。弱い人間なんです。

私は、辛いことから逃げた弱い人間なんです。

「あぁ、泣きたい。」

野上さんは、そんな私の頭を今度はちょっと強く叩いた。

「痛ー。」

野上さんは、今度は少しだけ真剣な顔で、
「必ず来るから。そのために、傑だって頑張ってるんだろ。自分自身責めんなよ。人それぞれ、大変な辛い思いだってあるから。」

そう言って、野上さんさんは微笑んだ。

そうだよね、傑は言ってくれたんだ

【お前の笑顔を取り戻す】

私は、その言葉を信じたんだ。そして、自分も頑張らないといけないんだ。

そのあと、野上さんはバイバイと言って走って行ってしまった。